古くから日本人に愛され続けているがま口。
お財布からバッグまで人気の高いがま口は、現代に至るまで廃れることなく幅広い世代に愛されています。
そんながま口、実は日本生まれではないということはご存じでしょうか。
知っているようで知らない、がま口の由来をご紹介します。
がま口は海外生まれ
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古くから日本で愛され続けているがま口ですが、実は発祥はヨーロッパ。
フランスの貴族たちが、バッグとして持っていたものが始まりとされています。
日本に伝わったのは明治の頃。
この頃は『信玄袋』という巾着に銭などの荷物を入れていたため、がま口も財布よりバッグとしての人気が高かったそうです。
財布として人気が出始めたのは、紙幣が発行された頃と予測されています。
これまでは硬貨だけだったので巾着袋で事足りましたが、紙幣が発行された第一次世界大戦後頃からはそうもいかなくなりました。
その頃からがま口は財布としての人気も高まり、現代に至るまで日本人と共に歴史を歩んできたのです。
実は製作が難しいがま口
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手芸屋や100円均一でもパーツとして販売されているがま口。
手軽に入手できるようになりましたが、実は製作が難しい金具でもあります。
玉の曲線が少しでも歪むと、あの「パチン」という音が鈍ってしまいます。
さらに嚙み合わせは緩いと隙間が開いてしまい、締めすぎると開閉が難しくなります。
普段からよく目にするがま口ですが、そこには人々が培ってきた技術が詰め込まれています。
その人だけの音に変わる
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使い続けたファスナーが開閉しやすくなるように、がま口の金具も経年変化によって変わってきます。
硬めだったものは少しずつ滑らかになり、その人が最も使いやすい力加減で開くようになります。
できるだけ長く使い続けて、その変化を是非楽しんでみてください。