革製品によく見られる凹凸は『シボ』と呼ばれ、漢字で表すと『皺』と書きます。
シボは部位によって異なる表情が楽しめる『空打ち』と、均一に楽しめる『シュリンク加工』の2つに分かれます。
シボが入ることによってどう変わるのか。
また、スムースな革と比べてメリットやデメリットはあるのか。
本革初心者さんにも分かりやすいようにご紹介します。
空打ちとは
空打ちとは、鞣した革を洗濯機のような機械に入れて回転させることで、自然なシボを付ける方法です。
洗濯をした洋服にシワが付くのと同じ要領ですね。
時間をかけてじっくりと作業を行うため、革自体も柔らかくほぐれ自然な印象のシボになることが特徴。
さらに革の部位によってシボの入り方が異なるため、1点1点表情が異なるのも魅力です。
その革を使ったアイテムも世界にひとつだけの表情になるので、特別な贈り物にもおすすめです。
シュリンク加工とは
シュリンク加工は、薬剤を使って革にシボを付ける加工方法です。
収縮剤を革に使うことで全体を引き締め、まんべんなくシボをつけていきます。
空打ちと違って均一な大きさのシボが入るため、アイテム全体のバランスも整って見えます。
また、シボの大きさも加工段階で決められるため、大きく深いシボや小さく浅いシボまでアイテムによって変えられるのも特徴。
シボ革が初めての方や、アンバランスさが苦手な方におすすめです。
シボ革のメリット
シボ革のメリットとして『丈夫で傷が目立ちにくい』というものがあります。
革の密度が高いため比較的伸縮に強く、シボのおかげで傷も目立ちにくくなっています。
スムースレザーに比べてエイジングが遅いため、新品の頃と変わらない表情を長く楽しめます。
シボ革のアイテムを毎日使う方や、本革は初めてという方にも使いやすい革です。
シボ革のデメリット
シボ革に大きなデメリットや注意点はありませんが、強いていえばシボに埃や汚れが入りやすいという点です。
しかし日常使いをしながら時折布で拭くだけで取れてくるので、気にしすぎる必要はありません。
また、上記のメリットで挙げた『エイジング』しづらいという点も、人によってはデメリットになります。
革本来のエイジングを楽しみたい方にはおすすめができない革になります。
とはいえスムースレザーとシボ革に大きな品質の違いはありませんので、好みで選んでしまっても問題ありません。
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