『ジャパンブルー』の名で、日本国内だけでなく世界からも愛される藍染め。
古くから衣類などに用いられ馴染み深い染めですが、実は本革を染めるためにはとても高度な染色技術を必要とする加工です。
今回はそんな『藍染め』の魅力をたっぷりとご紹介します。
藍染めとは
藍染めとは、藍を染料として用いた染め物の総称を指します。
色が褪せにくく消臭、虫除け効果、細菌を抑える効果があることから、江戸時代には多くの藍染めが行われていたとされています。
薄い段階では緑みを帯び、濃くなるにつれて紫みを帯びるのが特徴で、その美しさから現在では『ジャパンブルー』の名で、日本国内だけでなく世界中からも愛される染色となりました。
本革における藍染めの難しさ
藍染めはシルクやウールといった動物繊維がよく染まる一方、硬い植物繊維や本革には不向きとされてきました。
しかし熟練の職人による長年の研究と実験を経て、ようやく本革の藍染めが市場に出回るようになりました。
そんな藍染めですが、やはり染まりづらいという点は変わらず、本革の藍染めには膨大な時間と卓越した技術が必要となります。
一枚ずつ丁寧に染料に漬けては乾燥させ、何度も繰り返すことでようやく完成します。
色の深みは鞣しや染色の回数で変わり、まったく同じ色は二度と生まれないというのも魅力のひとつです。
藍染めと本藍染め
藍染めには何種類かあり、藍染め、本藍染め、正藍染めが有名です。
歴史的観点の解釈の違いや職人によって区切りは様々ですが、化学薬品を混ぜたり藍染めに似た薬品を使って染めたものを『藍染め』、化学薬品を一切に使わず植物の藍だけで染めたものを『本藍染め』、すくもと呼ばれる蓼藍(たであい)の葉を発酵して作られる染色材料を使用して染めたもの『正藍染め』と呼びます。
法律で区切りが指定されているわけではないため職人や販売会社によって差はありますが、一般的な解釈としては上記の区切りで覚えると良いかもしれません。
日本の伝統を長く楽しむ
このように、藍染めは日本の職人の技術と時間、愛情が詰まった素晴らしい伝統技術です。
本革を染めるためには多くの時間と卓越した技術が必要とされますが、その分その美しさを長く楽しむことができます。
時間と共に変化するエイジングを楽しみながら、日本の伝統を感じてみませんか?
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